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2019-09-28
スペシャリスト育成委員会【小児委員会第2回@奥沢】
弊社 作業療法士 衛藤
スペシャリスト育成委員会◆9/24 ≪小児委員会 第2回@奥沢≫
 
第2回目の小児委員会が開催されました。
今回は池尻大橋事業所の作業療法士(OT)から、発達障害(自閉症スペクトラム)について講義をしてもらいました。講師のOTは小児リハの経験が長く、基礎的な内容から具体的な関わりまで、今までの経験談などを交えながら講義をしてもらいました。訪問看護という幅広いご利用者様をケアしていかなければならない中で、スタッフのバックグラウンドは様々です。その中でも小児リハの経験があるスタッフは特に少なく、自社に一人でもいると、アドバイザーとなり得て非常に頼りがいがあります。今回の委員会にて、その知識や経験を共有できる場があることで、スタッフ全員の足りない部分を補い合うことができる強みを再認識する事ができました。
発達障害をもつ子供たちを中心に、感覚統合の視点から考える
普段、自分の体を自由に動かしたり、道具を使ったり、人とコミュニケーションを取ったりと、私たちは無意識のうちに周りの環境と上手に関わっています。感覚統合とは、これらの脳に送られてくる全ての感覚情報を、必要な情報と不必要な情報に整理する脳の働きを言います。発達障害を抱える子供たちは、この感覚刺激への反応に偏りがある事が多く、聴覚、視覚、味覚、臭覚、触覚、痛覚、体内感覚など全ての感覚領域で鈍感さや敏感さが生じます。
感覚統合療法は、発達障害児のリハビリテーション、療育実践として、主に医療現場(作業療法)で発展してきました。この療法では、子どもの学習、行動、情緒あるいは社会的発達を脳における感覚間の統合という視点で分析し、治療的介入を行います。対象となる障害は、LD(学習障害)や自閉症などの発達障害が中心ですが、その理論と実践法の原理は、精神障害や高齢者のケア実践にも応用されてきています。
今回は、触覚(表在感覚)、固有覚(深部感覚)、平衡感覚(バランス)の役割を知り、感覚面から、普段介入している子供たちの状態を捉えていくことを学びました。普段から関わっている子供たちも、感覚面から診ていくことで、「この子は普段どうしてこのような状態や行動になるのか?」を把握することができます。明日からの実践に直結する学びでした。
在宅においては、病院という整った環境ではなく、刺激の多いなかでケアやリハビリを行わなければなりません。しかし逆に、その子が生活しているまさにその環境の中で行える唯一の療育であるとも言えます。普段の生活の中でその子のできることを見つけ、ご家族様でもできることを生活の中に取り入れて頂くなど、訪問看護、訪問リハにしかできないことが多くあります。また、それが求められている役割でもある、ということを再認識できました。
子供たちと個別に関われる時間を大切にし、少しでもお役に立てるよう、本日の学びを明日の訪問に活かし、これからも日々研鑽していきたいと思います。